連続ウェビナー第2弾「顧みられない熱帯病との闘いにおける医薬品アクセス拡大の課題」

連続ウェビナー 第2弾

「顧みられない熱帯病との闘いにおける医薬品アクセス拡大の課題」

顧みられない熱帯病(NTDs)は、世界中で一般に「アクセスが難しい」とされる地域に暮らす人々の間で蔓延しています。彼らをNTDsから守るためには、優れた医薬品を開発するだけでは十分ではなく、それらの医薬品へのアクセスを確保することが必要です。このアクセスの確保は複雑な問題であり、一つの組織だけで達成できるものではありません。

NTD連続ウェビナー第2弾では、アクセスに関するいくつかの概念的な側面を明らかにし、アクセスに関する代表的な課題を様々な観点から議論し、それらを克服する方法を考えます。また、本連続ウェビナーでは、日本のアクターたちが、こうしたアクセスの課題解決に向けてどのように貢献できるかも考えていきます。

 

 使用言語:英語(日本語による同時通訳あり)

 参加費:無料

 主催:日本顧みられない熱帯病アライアンス(JAGntd)

 後援:グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)

 

参加受付中のセッション概要(随時更新)

第5回「医薬品業界へのナッジ①:製薬会社の取り組みの可視化」

2022年1月20日(木)17:00-18:00(日本時間)

マーゴ・ウォレン氏   Access to Medicine Foundation
高口伸一氏       三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

セッション5では、Access to Medicine Foundation (AMF)の活動を紹介します。AMFは独立非営利団体で、中低所得国における医薬品アクセスを改善するために製薬会社を刺激し、指導していくことを使命としています。同団体が2年ごとに公表しているAccess to Medicine Indexは、製薬会社間のアクセス改善競争を促進しています。本講演では、AMFが考える医薬品アクセス上の主な障壁と、それを改善するためにAMFがどのように製薬業界を変化させてきたかを解説します。また、AMFを支持する日本の投資企業の見解も紹介します。NTD治療薬へのアクセスに関するAMFの取り組みが、世界においてどのような意味を持つのか、理解を深めることができます。

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Access to Medicine Foundation (AMF)とは

Access to Medicine Foundation(AMF)は、2003年に設立された、オランダを拠点とする独立非営利団体です。同団体が2年ごとに実施しているAccess to Medicine Indexは、グローバル大手製薬会社20社を対象に、医薬品アクセスに対する取り組みに焦点を当てたデータの収集、検証、スコア評価及び分析を行っています。

AMFの詳細はこちら

ゲスト紹介

マーゴ・ウォレン氏

Access to Medicine Foundationの政策責任者。戦略チームの一員として、グローバルヘルスや医薬品アクセスの改善に積極的な政府、民間財団、多国籍組織と連携し、AMFの研究成果を活用した医療業界の変革に取り組む。財団参加前は、カナダ・オンタリオ州の保健省で戦略的医療政策に携わり、医療アクセスの改善、医療システムの強化、能力開発に関する新しいイニシアチブの促進などに従事していた。

高口伸一氏

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社スチュワードシップ推進部シニア・スチュワードシップ・オフィサー。1990 年より 30 年以上にわたって日本、米国においてヘルスケアセクターを中心に株式アナリスト業務(産業・企業調査)に従事。2021 年より現職として企業との対話を通じて ESG課題の解決を促し、企業及び社会全体の持続的成長の実現に向けた取り組みを行っている。

 

 

ウェビナー公開予定一覧  (終了したウェビナーの概要と録画は、各セッションのタイトルをクリックすることによりご確認いただけます)

第1回「概念と定義:アクセスとは何か(米国のシャーガス病を例にして)」

2021年9月13日(月)10:00-11:00(日本時間)

  • マイケル・ライシュ氏 ハーバード公衆衛生大学院名誉教授
終了しました

第2回「開発者の視点:アフリカトリパノソーマ症(アフリカ睡眠病)の治療薬フェキシニダゾールについて」

2021年10月14日(木)16:00-17:00(日本時間)

  • オラフ・バルベルデ・モール氏  顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ(DNDi)
  • フローレント・ボウ氏      顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ(DNDi)
終了しました

第3回「国の視点:タンザニアの住血吸虫症に対する小児用プラジカンテルの使用について」

2021年11月18日(木)16:00-17:00(日本時間)

  • ピーター・スタインマン氏     スイス熱帯・公衆衛生研究所、小児用プラジカンテル・コンソーシアム
  • カディージャ・ヤヒャ=マリマ氏  ムヒンビリ保健・関連科学大学(タンザニア)
  • ポール・カズヨバ氏        タンザニア国立医療研究機関
終了しました

第4回「WHOの視点:アフリカにおけるNTDsを対象にした国家対策プログラムの強化」

2021年12月16日(木)17:00-18:00(日本時間)

  • モデステ・テゼンボン氏 世界保健機機関 アフリカ地域事務局(WHO AFRO)ESPENプロジェクト地域技術担当官
終了しました

第5回「医薬品業界へのナッジ①:製薬会社の取り組みの可視化」

2022年1月20日(木)17:00-18:00(日本時間)

  • マーゴ・ウォレン氏 Access to Medicine Foundation
  • 高口伸一氏 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

参加登録受付中

第6回「医薬品業界へのナッジ②:特許はレバレッジか障壁か」

2022年2月

  • 調整中
Coming Soon

第7回「資金調達:誰が何のために支払うのか」

2022年3月

  •  調整中
Coming Soon

 

過去のセッション概要

第1回「 概念と定義:アクセスとは何か(米国のシャーガス病を例にして)」

2021年9月13日(月)10:00-11:00(日本時間)

マイケル・ライシュ氏 ハーバード公衆衛生大学院名誉教授

アクセスという言葉は広く使われているものの、しばしば明確な定義がされずに使用されています。そのため、本セッションでは、アクセスの概念をより深く理解することを目標にし、ライシュ氏にアクセスとその関連用語を定義する「アクセスフレームワーク」を紹介していただきます。また、アクセスフレームワークの活用例として、JAGntdの吉岡より、米国におけるシャーガス病治療へのアクセスに関する研究を紹介いたします。本セッションで紹介する概念と定義は、今後の連続ウェビナーを通して使用されます。

参考書籍:"Access: How do good health technologies get to poor people in poor countries?"

録画は以下のリンクよりご覧ください(Youtubeに移動します)
英語 / 日本語

 

第2回「開発者の視点:アフリカトリパノソーマ症(アフリカ睡眠病)の治療薬フェキシニダゾールについて」

2021年10月14日(木)16:00-17:00(日本時間)

オラフ・バルベルデ・モール氏  顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ(DNDi)
フローレント・ボウ氏      顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ(DNDi)

セッション2では、アフリカトリパノソーマ症の新規治療薬であるフェキシニダゾールを取り上げます。この薬は、数年前にDNDiやサノフィをはじめとした多くの団体のパートナーシップのもと開発されました。現在、DNDiとそのパートナーは、アフリカ諸国におけるフェキシニダゾールの普及に向けて活動しています。フェキシニダゾールは、医薬品開発企業がNTD治療薬の提供に取り組んでいる有望な事例といえます。登壇者のお二方には、治療薬を提供するうえで直面したアクセスの課題と、DNDiがそれらにどう対処したかについてお話しいただきます。

録画は以下のリンクよりご覧ください(Youtubeに移動します)
英語 / 日本語

Drugs for Neglected Diseases initiative(DNDi)とは

患者のニーズに基づき、主にヒトアフリカトリパノソーマ症(アフリカ睡眠病)、リーシュマニア症、シャーガス病、フィラリア症、小児HIV、マイセトーマ、C型肝炎といった顧みられない病気のための新しい治療薬・治療法の研究開発(R&D)に取り組む非営利組織です。

DNDiの公式ホームページはこちら

ゲスト紹介

オラフ・バルベルデ・モール医師

2009年よりDNDiでヒトアフリカトリパノソーマ症(HAT)治療薬開発プログラムのメディカル・マネージャーとして勤務。20年以上にわたり、国境なき医師団(MSF)の医師として主にラテンアメリカ、アフリカ、アジアでの人道支援活動に従事し、グアテマラやインドネシアでのMSF Access to Essential Medicinesキャンペーンなどを担当。1995年から1997年にかけて、MSFのスペイン部門の総責任者、2006年から2008年にかけて、インドネシアで世界の医療団(MdM)のカントリー・コーディネーターを務める。これまで、マラリア、HIV、コレラ、予防接種、緊急事態対応、中米におけるエイズ治療への初期アクセス構築など、様々な健康問題に対処してきた。ヒトアフリカトリパノソーマ症にはウガンダ(1989年)、アンゴラ(1995年)、コンゴ民主共和国(2003年)で直面した。

 

フローレント・ボウ医師

2015年よりDNDiのアクセスおよびヒトアフリカトリパノソーマ症(HAT)プラットフォームコーディネーターとして勤務。アフリカ睡眠病の流行国に対して、保健省から使用許可を得て新薬を使用するよう働きかけることや、WHOと協力して流行国での新薬の使い方やファーマコビジランス(PV)に関するトレーニングなどを行う。2007年にベルギー・アントワープの熱帯医学研究所で熱帯病制御の修士号を取得し、2012年にブリュッセル自由大学の保健システム研究、2014年にアントワープの熱帯医学研究所で保健政策の資格を取得。20年以上の現場経験を持ち、総合診療医として地域病院の医長、保健地区長を歴任、コンゴ民主共和国の国家睡眠病対策のプログラムコーディネーターを10年間務める。

 

 

第3回「国の視点:タンザニアの住血吸虫症に対する小児用プラジカンテルの使用について」

2021年11月18日(木)16:00-17:00(日本時間)

ピーター・スタインマン氏     スイス熱帯・公衆衛生研究所、小児用プラジカンテル・コンソーシアム
カディージャ・ヤヒャ=マリマ氏  ムヒンビリ保健・関連科学大学(タンザニア)
ポール・カズヨバ氏        タンザニア国立医療研究機関

セッション3では、NTD新薬の導入に向けた課題を国の視点から検証します。小児用プラジカンテルは、まだ承認されていないものの、住血吸虫症に感染した子どもたちを治療するための新薬として期待されています。本セッションでは、小児用プラジカンテル・コンソーシアムのグローバルアクセス戦略を紹介したのち、タンザニアにおける小児用プラジカンテルの将来的な導入に向けたプロジェクトを解説します。新薬の承認前でも各国ができる準備について、受け入れと普及体制の整備に焦点を当てて理解を深めます。(このタンザニアでのプロジェクトは、日本政府が資金提供しているAccess and Delivery Partnershipの支援を受けています。)

録画は以下のリンクよりご覧ください(Youtubeに移動します)
英語 / 日本語

小児用プラジカンテル・コンソーシアムとは

小児用プラジカンテル・コンソーシアムは、感染した就学前の子どもたちの医療ニーズに応えることで、世界的な住血吸虫症の疾病負担を軽減することを目的とした国際的なパートナーシップです。顧みられない熱帯病である住血吸虫症は、全世界で2億人以上が罹患しており、そのうち少なくとも2,500万人の就学前児童が現在適切な治療を受けられずにいます。当コンソーシアムは、非営利団体として運営されています。

Pediatric Praziquantel Consortiumの公式ホームページはこちら

ゲスト紹介

ピーター・スタインマン医師

疫学および公衆衛生学の専門家。アフリカ、アジア、ブラジルにおいて、顧みられない熱帯病(NTDs)、保健システムの強化、プロジェクトのモニタリング、公衆衛生全般に関する疫学・実施研究およびコンサルタント業務に携わってきた。主な関心事は、土壌伝染性蠕虫症、シストソーマ症、ハンセン病を中心としたNTD対策プログラムのための革新的技術の検証と導入。小児用プラジカンテル・コンソーシアムにおいては、Access sub-teamの共同リーダーを務め、ADOPT実施研究プログラムをスイス熱帯・公衆衛生研究医所(TPH)と共同で実施している。また、ハビリテーション資格を有し、バーゼル大学で疫学の准教授として教鞭にも立っている。

カディージャ・ヤヒャ=マリマ博士

看護師出身のコンサルタント疫学専門家。現在、タンザニアのムヒンビリ保健・関連科学大学 (MUHAS) の講師を務める。学界、公衆衛生、ヘルスケアシステム、健康研究の調整・監視・促進、生物医学研究の規制、ヘルスケア専門家の規制など、国内・地域・国際的な専門家と16年以上にわたり協働。また、国際機関との連絡役や技術顧問として、臨床試験の実施の促進や、健康におけるイノベーションやエビデンスに基づく政策・意思決定の推進に従事。公衆衛生への関心から、流行の初期段階にあったタンザニアの遠隔地の農村部で、コミュニティベースの予防的介入研究に焦点を当てHIVやその他のSTIの疫学研究に取り組み、ノルウェーのベルゲン大学で博士号を取得した。自分のスキルや専門知識を生かして、社会にヘルスケア・ソリューションを提供するチームに貢献することを目標としている。

 

ポール・カズヨバ博士

タンザニア国立医学研究所(NIMR)の主任研究員兼研究調整・推進担当ディレクター。南アフリカのフォートヘア大学で博士号(植物薬)を、ボツワナ大学で修士号(医化学)を取得。キャリア初期には、結核やマラリアを中心とした創薬研究に従事していたが、現在は、実施研究に重点を置いたアクセス・アンド・デリバリー・パートナーシップ(ADP)活動の実施をコーディネートしている。また、熱帯病の研究と訓練のための特別プログラム(TDR)と協力して、医薬品の定量化、小児用プラジカンテル製剤が入手可能になった場合の導入・展開のための制度的能力の強化、NTDs撲滅のためのWHOの新しいロードマップ2021-2030を採用・実施するための国の能力の強化などのプロジェクトのコーディネートを担当している。

 

 

第4回「WHO/ESPENの視点:アフリカにおけるNTDsを対象にした国家対策プログラムの強化」

2021年12月16日(木)17:00-18:00(日本時間)

モデステ・テゼンボン氏 世界保健機関 アフリカ地域事務局(WHO AFRO)ESPENプロジェクト地域技術担当官

セッション4では、アフリカで蔓延する5つのNTDsを制圧するためのWHOの地域プロジェクト、「顧みられない熱帯病の制圧のための拡大特別プロジェクト(ESPEN)」をご紹介します。ESPENは、アフリカ諸国と協力して、寄付された医薬品の集団投薬を加速するため、政治的、技術的、財政的リソースの動員に貢献しています。今回の講演では、ゲストのテゼンボン氏にWHOの立場から、寄付された医薬品を届けるために、アフリカ諸国でどのような支援が必要とされているのかをお話しいただきます。発展途上国間で医薬品を流通させる際の外部援助の重要性についても議論いたします。

録画は以下のリンクよりご覧ください(Youtubeに移動します)
英語 / 日本語

Expanded Special Project for Eliminating NTDs (ESPEN)とは

顧みられない熱帯病の制圧のための拡大特別プロジェクト(ESPEN)は、世界保健機関(WHO)のアフリカ地域事務局(AFRO)が2016年5月に開始した5か年計画で、各国のNTDプログラムに技術的および資金的な支援を行い、アフリカ大陸で最も大きな負担となっている5つの予防化学療法が存在する顧みられない熱帯病(PC-NTDs)の制圧を加速させることを目的としています。この5つの「顧みられない熱帯病」とは、オンコセルカ症、リンパ系フィラリア症、シストソーマ症、土壌伝播蠕虫感染症、トラコーマ症を指します。

ESPENの詳細はこちら

ゲスト紹介

モデステ・テゼンボン氏

HIV/AIDS、結核、マラリア、NTD治療薬などの保健商品に関する豊富な経験を持つ保健調達・サプライチェーン管理アドバイザー。現在は、WHO アフリカ地域事務局(AFRO)のESPENプロジェクトにおいて、NTD医薬品サプライチェーンマネジメントの地域技術担当官を務めている。ESPENに参加する前は、EGPAF、UNICEF、IOM、MINUSCAなどで、UNITAID/WHO、USAID/CDC-PEPFAR、BMGF、CIFF、J&J、ECHOなどの資金提供を受けたプロジェクトに従事。Institut Universitaire de la Cote(IUC)でロジスティクスと戦略的サプライチェーンの修士号を、Empower School of Health & Kent State Universityでグローバルヘルスの調達とサプライチェーンマネジメントのポストグラデュエート・ディプロマを取得している。