連続ウェビナー 第2弾
「顧みられない熱帯病との闘いにおける医薬品アクセス拡大の課題」
顧みられない熱帯病(NTDs)は、世界中で一般に「アクセスが難しい」とされる地域に暮らす人々の間で蔓延しています。彼らをNTDsから守るためには、優れた医薬品を開発するだけでは十分ではなく、それらの医薬品へのアクセスを確保することが必要です。このアクセスの確保は複雑な問題であり、一つの組織だけで達成できるものではありません。
NTD連続ウェビナー第2弾では、アクセスに関するいくつかの概念的な側面を明らかにし、アクセスに関する代表的な課題を様々な観点から議論し、それらを克服する方法を考えます。また、本連続ウェビナーでは、日本のアクターたちが、こうしたアクセスの課題解決に向けてどのように貢献できるかも考えていきます。
使用言語:英語(日本語による同時通訳あり)
参加費:無料
主催:日本顧みられない熱帯病アライアンス(JAGntd)
後援:グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)
過去のウェビナー一覧 (終了したウェビナーの概要と録画は、各セッションのタイトルをクリックすることによりご確認いただけます)
第1回「概念と定義:アクセスとは何か(米国のシャーガス病を例にして)」 2021年9月13日(月)10:00-11:00(日本時間)
|
|
第2回「開発者の視点:アフリカトリパノソーマ症(アフリカ睡眠病)の治療薬フェキシニダゾールについて」 2021年10月14日(木)16:00-17:00(日本時間)
|
|
第3回「国の視点:タンザニアの住血吸虫症に対する小児用プラジカンテルの使用について」 2021年11月18日(木)16:00-17:00(日本時間)
|
|
第4回「WHOの視点:アフリカにおけるNTDsを対象にした国家対策プログラムの強化」 2021年12月16日(木)17:00-18:00(日本時間)
|
|
第5回「医薬品業界へのナッジ①:製薬会社の取り組みの可視化」 2022年1月20日(木)17:00-18:00(日本時間)
|
|
2022年2月17日(木)17:00-18:00(日本時間)
|
|
2022年3月17日(木)17:00-18:00(日本時間)
|
Youtube Recordings: 英語 / 日本語 |
過去のセッション概要
第1回「 概念と定義:アクセスとは何か(米国のシャーガス病を例にして)」
2021年9月13日(月)10:00-11:00(日本時間) マイケル・ライシュ氏 ハーバード公衆衛生大学院名誉教授 アクセスという言葉は広く使われているものの、しばしば明確な定義がされずに使用されています。そのため、本セッションでは、アクセスの概念をより深く理解することを目標にし、ライシュ氏にアクセスとその関連用語を定義する「アクセスフレームワーク」を紹介していただきます。また、アクセスフレームワークの活用例として、JAGntdの吉岡より、米国におけるシャーガス病治療へのアクセスに関する研究を紹介いたします。本セッションで紹介する概念と定義は、今後の連続ウェビナーを通して使用されます。 参考書籍:"Access: How do good health technologies get to poor people in poor countries?" |
第2回「開発者の視点:アフリカトリパノソーマ症(アフリカ睡眠病)の治療薬フェキシニダゾールについて」
2021年10月14日(木)16:00-17:00(日本時間) オラフ・バルベルデ・モール氏 顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ(DNDi) セッション2では、アフリカトリパノソーマ症の新規治療薬であるフェキシニダゾールを取り上げます。この薬は、数年前にDNDiやサノフィをはじめとした多くの団体のパートナーシップのもと開発されました。現在、DNDiとそのパートナーは、アフリカ諸国におけるフェキシニダゾールの普及に向けて活動しています。フェキシニダゾールは、医薬品開発企業がNTD治療薬の提供に取り組んでいる有望な事例といえます。登壇者のお二方には、治療薬を提供するうえで直面したアクセスの課題と、DNDiがそれらにどう対処したかについてお話しいただきます。 |
第3回「国の視点:タンザニアの住血吸虫症に対する小児用プラジカンテルの使用について」
2021年11月18日(木)16:00-17:00(日本時間) ピーター・スタインマン氏 スイス熱帯・公衆衛生研究所、小児用プラジカンテル・コンソーシアム セッション3では、NTD新薬の導入に向けた課題を国の視点から検証します。小児用プラジカンテルは、まだ承認されていないものの、住血吸虫症に感染した子どもたちを治療するための新薬として期待されています。本セッションでは、小児用プラジカンテル・コンソーシアムのグローバルアクセス戦略を紹介したのち、タンザニアにおける小児用プラジカンテルの将来的な導入に向けたプロジェクトを解説します。新薬の承認前でも各国ができる準備について、受け入れと普及体制の整備に焦点を当てて理解を深めます。(このタンザニアでのプロジェクトは、日本政府が資金提供しているAccess and Delivery Partnershipの支援を受けています。) |
第4回「WHO/ESPENの視点:アフリカにおけるNTDsを対象にした国家対策プログラムの強化」
2021年12月16日(木)17:00-18:00(日本時間) モデステ・テゼンボン氏 世界保健機関 アフリカ地域事務局(WHO AFRO)ESPENプロジェクト地域技術担当官 セッション4では、アフリカで蔓延する5つのNTDsを制圧するためのWHOの地域プロジェクト、「顧みられない熱帯病の制圧のための拡大特別プロジェクト(ESPEN)」をご紹介します。ESPENは、アフリカ諸国と協力して、寄付された医薬品の集団投薬を加速するため、政治的、技術的、財政的リソースの動員に貢献しています。今回の講演では、ゲストのテゼンボン氏にWHOの立場から、寄付された医薬品を届けるために、アフリカ諸国でどのような支援が必要とされているのかをお話しいただきます。発展途上国間で医薬品を流通させる際の外部援助の重要性についても議論いたします。 |
第5回「医薬品業界へのナッジ①:製薬会社の取り組みの可視化」
2022年1月20日(木)17:00-18:00(日本時間) マーゴ・ウォレン氏 Access to Medicine Foundation セッション5では、Access to Medicine Foundation (AMF)の活動を紹介します。AMFは独立非営利団体で、中低所得国における医薬品アクセスを改善するために製薬会社を刺激し、指導していくことを使命としています。同団体が2年ごとに公表しているAccess to Medicine Indexは、製薬会社間のアクセス改善競争を促進しています。本講演では、AMFが考える医薬品アクセス上の主な障壁と、それを改善するためにAMFがどのように製薬業界を変化させてきたかを解説します。また、AMFを支持する日本の投資企業の見解も紹介します。NTD治療薬へのアクセスに関するAMFの取り組みが、世界においてどのような意味を持つのか、理解を深めることができます。 |
第6回「医薬品業界へのナッジ②:特許はレバレッジか障壁か」
2022年2月17日(木)17:00-18:00(日本時間) エステバン・ブッローネ氏 Medicines Patent Pool セッション6では、医薬品の特許権を集めた医薬品特許プール(MPP)の役割を紹介します。MPPは国連が支援する公衆衛生団体で、中低所得国におけるエイズ・マラリア等の医薬品へのアクセスを向上させるために活動しています。特に、医薬品へのアクセスを改善するためのメカニズムとして、製薬企業が有する医薬品の特許をプールしてジェネリック企業にライセンスしています。各企業はこのライセンスをもとに医薬品を特定の発展途上国向けに開発します。本講演では、この仕組みがどのように機能しているか、また、これにより解決できるアクセス課題を説明します。また、同様のメカニズムをNTD治療薬に適用する可能性を探ります。 |
第7回「資金調達:誰が何のために支払うのか」
2022年3月17日(木)17:00-18:00(日本時間) セシリア・オー氏 Access and Delivery Partnership, UNDP セッション7では、NTD医薬品へのアクセスを拡大するための資金調達に関する課題を探ります。私たちはNTD治療薬を必要とする人々に届けるためにどれだけの資金が必要なのかを完全に把握することはできませんが、そのアクセスとデリバリーの改善に向けた資金調達の状況を理解するためのいくつかの取り組みが始まっています。これら取り組みの例として、本セッションでは、新規医療技術、アクセスと提供のための協働(Uniting Efforts for Innovation, Access and Delivery)による2020年の報告書を紹介します。NTD治療薬のアクセスとデリバリーに関する既存の戦略や資金調達のニーズを振り返ったのち、現在の資金ギャップを解決するための代替的な資金調達モデルについて考えます。 |
録画は以下のリンクよりご覧ください(Youtubeに移動します) |