2022 年 5 月、世界保健機関(WHO)は、トーゴが公衆衛生問題としてのトラコーマを撲滅したことを確認しました。
この重要なマイルストーンを達成したのは、ガーナ(2018 年 6 月)、ガンビア(2021 年 4 月)に続きWHOアフリカ地域で3カ国目となります。
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【トラコーマ】
トラコーマは、クラミジア・トラコマティスという細菌の感染によって起こる感染症で、時に失明につながることがあります。感染経路は、感染者の目や鼻からの分泌物に触れた指や蝿などを介した接触感染です。トラコーマ感染の環境的な危険因子としては、不衛生、過密な家庭、水や適切な衛生設備へのアクセス不足、などが挙げられます。
トラコーマは風土病の一つであり、ほとんどの場合、十分なサービスを受けていない遠隔地の農村地域に影響を及ぼします。感染は主に子供がかかり、年齢が上がるにつれて少なくなります。しかし、幼児期に繰り返し感染すると、数年から数十年後に晩期合併症を引き起こすことが知られています。また成人では、女性は男性に比べて最大4倍もトラコーマの失明合併症に罹患しやすく、これは主に感染した子供と密接に接触することが原因だと考えられています。
小児期に感染を繰り返すと、上まぶたの内側に瘢痕化が起こります。このため、上まぶたのまつ毛が目に触れるようになり、まばたきをするたびに強い痛みを感じる "trachomatous trichiasis (TT)" と呼ばれる状態になることがあります。TTは手術で治療できますが、放置すると角膜に傷がつき、視力障害や失明につながる可能性があります。