6月16・17日に44回TDR/WHO合同調整会議(JCB)が行われました。以下は、参加者の長崎大学 平山教授からのレポートです。
 

 
44年の歴史を持つ熱帯病研究人材育成特別(TDR)プログラムの運営状況を監督し、提言を行う委員会であるJCBに、ドナーで発足時から参加している日本の代表として、厚労省国際課課長補佐とともにウェブ参加しました。
 
TDRプログラムは、もともとWHOの目的に沿った保健衛生に関する研究教育活動に特化したWHOの部署として発足しました。基本的にはその精神を50年近く継続し、途上国に蔓延する感染症の対策研究や人材育成に非常に大きな貢献をはたしていることは、特に途上国において良く認識されているようです。実際の活動は、研究プロジェクトのサポートと研究者の育成で、日本で言えば科学研究費補助金やJSPSの人材育成奨学金のような資金が公募をベースに配分されています。途上国の研究者や指導者のほとんどの人たちはTDRの補助で研究活動を行った経験があるのではないかと思います。
 
この15年ほどは産学官連携が主流となり、NTDs、ロンドン宣言、ビルゲイツ財団、GHITなどこの領域での同業者が林立し、その存在がかすんでしまうことが多くなりました。そのせいかもしれませんが、主要国の拠出金についても減少傾向が続き、特に日本は今年500万円という途上国並みの拠出金となりはてました。これは私的な反省ですが、途上国の研究代表者を日本の研究者が支援して共同研究として論文発表するようなケースが、TDRプロジェクトでは最近ほとんど見られなくなっているようで、そのことがこのような拠出金の減少と関係していると感じました。TDRは、2011年の経済破綻後、研究対象をアクセスに絞り込み、日本政府が支援するUNDP/GHITのAccess Delivery Partnership (ADP)との連携も強めていますので、まずはこのあたりから徐々に貢献度を強めていくのが現実的かもしれません。
 
年間20億から30億円の公的な資金をベースにした予算で最大限の効果を上げるべく、40名ほどのスタッフが働き、年間150編ほどの研究成果の論文や新たな保健システムモデルの開発、多数の貧困病(TBやNTDs)対策に資する研究者の育成が進んでいることを考えれば、日本からの資金及びソフトパワー(研究教育支援)面でのさらなる増強が必要と感じました。詳しくは2020年の年間活動報告書をご覧ください。
 
写真は2016年の第40回のWHO本部での会議と40周年のパネルです。
 

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2021年6月にルワンダの首都キガリで開催予定だった「マラリアとNTDsのためのグローバルサミット」は日程が延期となりました。